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955: 公園で1/2 ◆BxZntdZHxQ 2008/01/07(月) 01:38:45 ID:WsWMnZDT0
霊感って血筋と関係あるんだろうか。




俺の母方の叔母や従姉はカンが強いが、父方の方ではそんな話は聞かない。
俺は気配だけ感じる事があり、ごく稀に怪しいものが見える事もある。
この話も、見ていない話だ。

先月親が旅行に行って、俺が土産を叔父さん家に届けた。
叔父さんはオヤジの弟。
俺のバイト先がある駅の沿線に住んでるし、ここの息子は俺と2コ違いで、
俺とは幼なじみみたいなもん。

目的地は坂を上がり切って少し下った所。丘の上の閑静な住宅街。
頂上は公園だけど、俺が到達した21時過ぎには誰もいなかった。
公園の前を歩いていたら、猫の声がした。
「ウア〜ン…」って赤ん坊の声みたいな…12月だから、もう寒鳴きって言うのかな。
声につられて公園の中を見たけど、姿は見えない。
ところがそのまま通り過ぎて、公園沿いに道が折れて下りになる辺りで、
もう一度「ウア〜ン」。
振り返ると、俺の斜め上にある茂みの中に白っぽい物が見えた。
何かそこから声がした気がして、俺は引き返して公園に入った。
覗き込むと案の定それは箱だった。側面に店名とurlが印刷されてる、白い段ボール。
引っぱってみたら軽くて、ツツジの木で隠れて見えてなかったけど蓋は開いてた。
猫が閉じ込められてるとやだなって思った訳だけど、
中はからっぽで、底が泥で汚れてた。
たまたまここでひと休みしてた猫が鳴いただけかもしれない。


956: 公園で2/2 ◆BxZntdZHxQ 2008/01/07(月) 01:39:42 ID:WsWMnZDT0
やれやれ…と思って立ち上がろうとしたら。
そのまま身動きがとれなくなった。
金縛り…って実はあんまり遭った事ないんだけど、正にその状態。
うわっ、と思ったら、背後に人の気配がした。
屈んで片膝をついている俺の左の肩に、今にも顎が乗りそうな感じで、
誰かが覗き込んでいる。
塾帰りの子供とかがいてもおかしくない時間ではあるけど、足音したっけ?
何より身動きできないし、動悸がして喉がキューッと締め付けられて、声も出ない。
俺はどうにか目の端で様子を窺おうとした。
ぐうっと気配が肩の上に迫り出して来る。
ちょっとだけ首が動けば、気配の主が見られる!
その瞬間。
地面に付いていない右膝、肩、背中の順で、何かが通った。
ぽん、ぽん、ぽーん!と、最後に背中を軽く蹴って。
俺は前にのめって、両手両膝をついた。ちゃんと体が動く。
「だあああっ!」って妙な声をあげて振り返ったけど、
後ろにいた誰かも、俺の肩を通過した何かも、なーんにもいなかった。
ちょっと呆気に取られた後、俺はさっさとそこから逃げた。

叔父さん家に着いたら従弟が玄関を開けて、俺を見て苦笑した。
「遅いと思ったら、どっかで猫と遊んでたのか。」
上着を脱いでみたら、背中に泥の汚れがついていた。


957: 理由1/2 ◆BxZntdZHxQ 2008/01/07(月) 01:40:33 ID:WsWMnZDT0
叔父さん家で従弟に、公園であった事を話したら鼻で笑われた。
こいつはそういうのを全く信用していないので、仕方ないっちゃ仕方ない。
でも、何か思い出したらしくて、「子供と言えば、」とちょっと考える顔をした。
「ナオさん(俺)の好きそうな話あるよ。」

数年前にいわゆるデキ婚をした女性がいる。
あまり治安のよろしくない街に住む彼女は、その時授かった息子と並んで眠る時、
防犯用と称して枕元にバットを置いているそうだ。
旦那の帰りはいつも遅い。

息子が言葉を話す様になったばかりの頃、彼女はふとある事を思い出した。
この位の時期に聞いてみると、生まれる前の記憶を話し始める子供がいると言う。
ものは試し、息子に訊ねてみると、彼はぽつりぽつりと語った。

「いつもお父さんとお母さんが喧嘩していて、嫌だった。」

彼女には思い当たる節があった。
当時、仕事が軌道に乗りかけていた彼女は結婚したくなかった。
まして子供なんて生まれたら、当分仕事に戻れない。
その事で随分言い争いをした。
乗り気な恋人や家族の手前、勝手に堕胎は出来ない。
事故なら、流産なら…。
無茶な飲酒や喫煙、体をわざと冷やしたり、やたらと全力疾走したりしてみた。
しかし、お腹の子はきちんと育ち、生まれた。
結局仕事も辞めた。
生まれてからは情も生まれ、今は大事に育てている。
でも、この子は生まれる前に、母親に疎まれていた事を知っているのかもしれない…。



958: 理由2/2 ◆BxZntdZHxQ 2008/01/07(月) 01:41:22 ID:WsWMnZDT0
ある晩ふと目を醒ますと、隣で寝ている筈の息子がいない。
部屋を見回すと、彼女の枕元にぼんやりと立っている。
「どうしたの?」と訊ねて良く見ると、息子の手にはしっかりとバットが握られている。

従弟がバイト先の先輩の女性からその話を聞いた時は、
寝惚けた息子が防犯用のバットを持っていて、
「殺られると思った。」のでなだめすかしてそれを取り上げた…と言う、
笑い話なのか何なのか良く解らない話だったそうだ。
後日別の同僚女性から、彼女の結婚の経緯や、子供が話した事を教えられたと言う。

「本人に聞いた時は、殺られるなんて大袈裟だと思ったんだけどね。」

…それだけの理由がある。



コメント

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    • 1. おうまが名無し
    • 2016年08月07日 14:12
    • 猫の声、時々人の声に聞こえますね。
      因みにうちの猫は「おわーん、おわーん」
      と鳴きます。(笑)
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