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424: タケニツル 2001/04/10(火) 17:34
深夜、誰もいないビルに一人でいた事がありますか?
薄暗い廊下で立ち止まると、ボーッいうような耳鳴りが聞こえ
それが次第にじんじんとした痛みに変わり、一瞬でも気を
緩めると頭から次第に暗がりに溶けていくような錯覚がする。



親戚からの頼みごとを安請け合いして、私は思いっきり
後悔していました。「さっき車で通りかかったら
入口にタチの悪そうなヤツがいたから、念のため見回りに
行って欲しい」場所は私の家から車で数分、日ごろお世話に
なっている親戚であるし、足が不自由な人なので2つ返事で
OKしました。

親戚がオーナーのそのビルは3階建てで、1,2階はテナント
(店が入っても長続きせず、当時は1,2階とも空きでした)
3階には親戚が書斎代わりに使う部屋と、私が倉庫として
借りている部屋がありました。
到着したのが夜の11時頃。ビルと言ってもかなり小さく、
全部の階を回っても30分はかからない。手早く済まそうと
駆け込みました。1階から順に回り始め最後の3階まで
異常はありませんでした。3階の書斎で一息つくため、
煙草に火をつけましたが、前述のとうり何も音がしないという
事に対する恐怖が、段々と重くのしかかってきて、
さっさと引き上げる事にしました。

425: タケニツル 2001/04/10(火) 17:35
3階建てですが足の不自由なオーナーのためにエレベーターが
有るので、早速それに乗り込み1階のボタンを...
焦っていたのか2階のボタンも押していました。
2階に到着。軽い振動とともに扉がスーッと開きました。

私はぼんやりと扉の向こうの2階の壁を見ていました。
エレベーター内の灯りがフロアにもれる...
いつもならそこには少し黄ばんだ白い壁があるはずでした。
...何かが違う...
初めはシミか何かと思っていたソレに気づいた瞬間
身体は硬直して動かなくなりました。

無表情な女の顔でした。
扉越しに見える壁いっぱいの大きな顔でした。
透けたその顔はシーンと静まりかえった中に浮かんでいました。
私は目を外すことが出来ませんでした。
その顔は表情を段々と変えていくのです。

426: タケニツル 2001/04/10(火) 17:35
笑っていました。
精神を病んでいる様な笑い方でした。
でも声は全く聞こえず、相変わらず静まりかえっていました。
エレベーターの扉はオーナーの為に時間設定を変えてあり
通常より閉まる時間が遅くなっていました。
身体が動かずボタンも押せない。視線も顔から外せない..
数十秒後に扉が閉まるまで、ずぅっと狂った様に
笑い続けていました。

私は逃げるように家に帰りました。途中、鍵を返すために
親戚の家にも寄りましたが、何も話せませんでした。

今まで音が聞こえない恐怖に怯えていましたが、
もしあの時、笑い声が聞こえていたら...

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